冷たい月



『だから心配しないで。
私を信じて。どこにも行かない』



信じてない訳じゃない

ただ

お前の事を

狙ってる奴がいるってだけで

おかしくなりそうなんだ




『ごめんな』




『いいよ』




幸せだからこそ

不安だった


いつか

この幸せが

消えてしまいそうで



指の隙間から

こぼれる水のように

璃空が

居なくなってしまいそうで






その夜から

過ごす時は

璃空を抱きしめて

眠るようになった











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