冷たい月


『…りょ…じ……りょう……じ…りょ…じ……』


体が支えきれなきなってきて、
思わず先生の
良治の
シャツを掴む。


それでも支えきれなくて、良治の首に腕をまわし、
一生懸命、名前を呼ぼうとした。

『りょう…じ……』


……もうダメ。息苦しい。


良治の首に回した腕をほどき、
両手で良治の胸を力一杯押してはみたけど、
びくともしない。


顔を何とか背けて

『良…治……良治……』


息切れしながら何とか呼ぶことが出来た。

< 6 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop