冷たい月
『…りょ…じ……りょう……じ…りょ…じ……』
体が支えきれなきなってきて、
思わず先生の
良治の
シャツを掴む。
それでも支えきれなくて、良治の首に腕をまわし、
一生懸命、名前を呼ぼうとした。
『りょう…じ……』
……もうダメ。息苦しい。
良治の首に回した腕をほどき、
両手で良治の胸を力一杯押してはみたけど、
びくともしない。
顔を何とか背けて
『良…治……良治……』
息切れしながら何とか呼ぶことが出来た。