冷たい月
『どうした?何が怖い??』
良治が私の顔を覗き込む。
『怖いの…信じた人たちにいつも…
何度も裏切られてきたから…』
良治と目が合う。
『俺は裏切らない。今すぐ信じろとは言わない。
信じられるように俺がしてやるから』
良治の手が私の髪をかきあげ、
まっすぐ私を見る。
良治の目を見ている私の目から
温かい雫が溢れてくる。
頬に流れ、良治が指で拭ってくれる。
何も言わずに…
優しい眼差しで私を見ながら…