ふたまた彼氏
「そ・・・そう。
まぁそうだよね。
カッコいいしね。」

「そう。
じゃないわよ!!
好きだったんでしょ?!」

ズキンっと胸が痛む。
好きだった?

わからない。
けれどただ、胸が痛んだ。

「わっ・・・かんないよ・・・。」

ぐっとみぞおちを
抑えられたような
感覚に浸る。

きゅうっと締め付け
られるような
息苦しい感覚に
あたしはしばし捕らわれた。

好きだった?

それとも今も

好きなのかな?


分からない・・・。


ただただ胸が痛んだ。

「美紅・・・・。」

「仕方ないよ。
彼女なんでしょ?
平野君の・・・!!」


そう言い終えると
涙が零れだした。


「や・・・っと
気付いたのに・・・
好きだっ・・・て分かったのに
こんな・・・・
ひどっ・・・・っっ。」


こうなってから気付いた。






あたしは彼が、











平野隆斗が好きだってこと。
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