ふたまた彼氏

告白

『どーかした?』

キョトンとした顔をして
あたりを見渡した。

「違うっての。
ってか何それ?」

笑い混じりに聞いた。
手には沢山。

『林檎飴だろ?
イカだろ?
フランクフルト
トウモロコシ
綿菓子
焼きそば…
あと、チョコバナナもな。」

ニカッと頬をあげ笑う。
両手いっぱいに抱えて
なんだかすごく可愛らしくて
くすっと笑った。

『何笑ってんだよ。』

ぶすっと空を見上げた。

「違うよ。
なんか可愛くてさ。」

『可愛いなんて
嬉しくねーよ。』

だけど
ちょっと照れたように
「ありがと」って
言ったこと、
聞き逃さなかったよ?

『これ、
全部やるよ。』

「うっそ…
ホントに?
ありがとー嬉しい!」

得意そうに笑う。
ふっと息が鼻を掠めた。

『あっ・・・・
始まった。』

上を見上げると
花火が打ちあがり始めた。

「綺麗・・・・。」

『お前のほうが綺麗だよ・・・

「え・・・・・・・?」

『なーんて
言われたら照れる?』

意地悪そうに
こっちを見ている。

「//~!!
ばか!!」

『おいおい、
そんな切れんなって!』

「うっさい馬鹿!!
近寄るな!!」

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