ふたまた彼氏
第3章 2人
「………。」
この光景はなんだろうか。
掲示板の前に
駆け寄るクラスメイト。
「美紅って変わったよね。」
得意げな顔して
紗枝が近寄ってきた。
「何その嬉しそうな顔は?」
ぴらぴらと一枚の
写真をあたしの前に出す。
「やっ…
〜//返せ!!」
その写真と言うのも
「やだよーっ
珍しいのに☆
美紅が笑顔で
ついでにメイドッッ!!
売れるよー♪」
「売るなっ
返せぇー!!!」
そう。
この前の文化祭の写真。
以前のあたしだったら
絶対あり得なかった。
「やっぱ…
あの子のせいかな♪」
ぱっと隆斗を見る紗枝。
「紗枝…
あのさぁ…。」
…………
「えーっっっっ!!!」
「しぃ!
声が大きい!!」
「ごめんごめん。
えっ美紅、それほんと?」
「嘘ついて
どーすんのよバカ。」
できるなら
嘘だって思いたいよ。
「そーよね…
えっ…あっ…うん。」
「なんでそんな
挙動不審なのよ。」
「だって…
あの美紅が…
しかもフられて
泣かないって…。」
いや。
十分泣きました。
これでもかってくらい。
泣きすぎて今朝なんて
目が開かなかったくらい。
そんなこと、
絶対いわないけど。
「まー待つの。
振り向いてくれるまで。」