ふたまた彼氏
駅に着くともう
隆斗が待っていた。
「ごめん・・・
待った?」
『待ってないよ。』
そう言うとまた
お得意の意地悪い顔して
笑った。
『走ってきたんだ。
汗だく・・・。』
「会いた・・・くて・・・
ほんっとしんどい。」
ぺたっとしゃがみこんだ。
『なんか
犬みたいだな。』
「犬って・・・
失礼すぎない?!」
『飼い主様に
忠実って感じじゃん♪』
飼い主様って・・・
まーそう言われれば
ペットみたいだけどさ。
「好きだよ。」
『あのね、
恥ずかしいからそうやって
まじまじと見つめて言うな。』
じぃっと
隆斗の顔を
見つめ続けた。
『ほら行くよ。』
しゃがみ込んだあたしを
ひょいっと立ち上がらせて
手をとった。
ねぇ、手熱いよ
耳赤いよ
隆斗があたしのこと
ちゃんと思ってくれてるって
信じてイイ?