ふたまた彼氏



pppppp…


「はい…」


『ちゃんと着いたー?』



電話の先には
愛しい人の声。



「ちゃんと家の前まで

送ってくれたじゃん笑」



ふっと笑みが零れる。


安心する



『そーだけどさ


ちゃんと帰れたかなって…』




「ありがと。



大丈夫だよー。」



優しいところ


出会った時から変わらないね。




初夏の夜。



少し冷えた部屋。



あたしの頬だけが少し熱い。






これはきっと
目の前の夏のせいじゃない。





隆斗のくれる



優しい愛情のせい。









電話は夜遅くまで続いた。
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