あたいの運命
北千住という街には大きなモニターがあり
広告などが映し出されていた。
初めて目の当たりにしたあたいは
「どうして、屋外にテレビがあるんですか?」と
田舎者丸出しで、今思えば苦笑してしまう。
迎えに来た担当の営業マンにも、案の定、苦笑された。
液から歩いて10分程度の所に職場があった。
あたいの仕事は独身寮での調理。

早番は早朝4時半から昼の2時まで。
遅番は昼2時から夜11時まで。
不眠症のあたいはすぐに体調をこわした。
あたいの職場にはあたい達従業員の住まいも一緒になっていた。
2階が食堂
3階が男性用大浴場
4・5階にはあたい達の個室寮があった。
1つのフロアに4つの部屋があり、
あたいは4階の1つ目の部屋だった。

孤独なコンクリートジャングルに一人佇まい、
営業マンの案内で2階の事務所に案内された。
そこに居たのは・・・
後にあたいがうつを発病する原因のナミとハルだった。

< 2 / 32 >

この作品をシェア

pagetop