あたいの運命
「我慢」という言葉が嫌い。
「辛抱」という言葉が憎い。
我慢して良かったことなんてない。
何一つない。
我慢して虐待を受けたから
自分が壊れた。
もう、恋愛なんて出来ない。
恋する度に自分は汚れた人間だと
知らされる。
人と感覚が違う。
「人」を信じると言う感覚が麻痺している。
「人」に強い恐れと不信感を抱いてしまう。
友達に対しても同じだった。
「こいつはあたいを裏切るだろう。」
そういう気持ちが脳裏にこびりついて離れなかった。

あたいは犯されてはいない。
でも「女」は失った。
幼稚園に入園する前に失った。
感覚的に遊女と同じだろうか?
平穏な生活をおくために「心」という体の一部を切り落として愛撫され続けた。
あたいにプライドはないのか?
自分でも不思議だ。

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