あたいの運命
愛して欲しかった。
他の誰でもない・・
母に愛して欲しかった。
幼い子供の儚い夢だと知らされた。

あれは幼稚園くらいのとき
父の商売の展示即売会に
お邪魔することになった。
勿論、叔父も一緒に。
そのことが唯一、
気にかかっていた。
叔父の機嫌が悪い・・・
いつもより早くとった昼食の後
外出の用意を始めた。
「早くしろ!!!!」
叔父の怒声が家中に響く。

賢い姉が一番早くを済ませ
叔父の車に乗る。
次に仕切り屋の祖母が
「さぁ、行きますよ。」と、言いながら
乗り込んだ。
残るは母とあたい・・・
母は化粧を直している最中で
あたいは服を選んでいた。
決まらない。
「いい加減にしろ!!!!」
叔父の怒声があたい達を貫いた。
母もあたいも慌てふためいた。
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