黙れヘタレ



すみれは後ろの
黒板を見ていた。
正確には黒板に貼られた
漢字小テストの結果であった。
もちろん私は満点なので1位。
しかしいつも1位のすみれは
高橋と一緒で1ミスしてしまい
2位に転落していた。

「ドンマイ」

席に着いたすみれに
慰めな言葉を捧げると
すみれは溜め息で返した。

「榎木さん2位って
珍しいね〜」

後ろの黒板で固まる
女子たちが表を見て言った。
それを見ていたすみれは
切なげな顔をする。

「たまには
そーゆうこともあるって」

私はまた慰めの言葉をかける。

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