黙れヘタレ

3階くらいから
足が重くなる。
こんなとき傘が
杖がわりになり
最適だ。

息を切らし
目的地の5階に
着き、教室のドアに手を伸ばした。

―コーンッ♪

「「おはようございます!!」」

チャイムの最後のフレーズが
鳴り終わったとき
反対側のドアを開けた
高橋と声がハモった。

「高橋と佐倉、遅刻っと」

担任が出席簿に書き示す。
私は脱力して大きく
息を吐いた。

「咲、階段で来たの??
顔、ちょー疲れてるよ」

席に着くとすみれに言われた。
タイムは同時だったが
私のHPはゼロに近かった。

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