黙れヘタレ
体育の授業の時にいた
トイレに放課後である今
また私は居るのである。
今までトイレ掃除をサボったため
一週間、私一人で掃除する事になった。
元々、複数人と戯れるのを
好まない私は今のほうが
ハキハキして見えるだろう。
見てくれる人なんていないけど。
「終了」
念入りに手を洗い
エレベーターで教室に戻る。
やはりエレベーターは楽だ。
教室に入るとデジャブな人がいた。
高橋見参。
王様は一人寂しくほうきで
床を掃いていた。
「当番?」
私が聞くと高橋は
小さくうなずいた。
「サボってたから」
「ダサッ」
人のこと言えない、
そう言われる前に
話題を変えた。
「サラって婚約者のこと?」
いきなりすぎたか
高橋の「ああ」という
返事が遅かった。