黙れヘタレ

スピリチュアル。
運命の人も
そういう会ったときの
勘と似ているのかもしれない。

「あっそ」

私はわざとそっけない態度を取り
彼に背を向けた。
目の前の黒板に書かれている
明日の日直の名前。

“石井”

ごめん、石井。
やつ当たりさせて。
私は白いチョークを持ち
彼の名前に書き足した。

“岩丼”

「不味そう」と
心の声が漏れる。


※それから何日か
石井が“岩丼”と
呼ばれるようになったのは
言うまでもない。


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