黙れヘタレ

高橋が教室に入ってきた。
今更だけど二人は気まずかったので
電気を付けに行った。
高橋もカバンを机の横のフックに掛け
同じ冊子で勉強し始める。

「ねぇ、範囲どこ?」

電気を付けに行った帰りに聞いた。

「67~71ページ」

高橋は冊子に目を落としたまま言った。

「難しい?」

「ふつー」

「勉強した?」

「今してる」

ふぅ…出だしは互角って事か。

「じゃあさ」

私は高橋の机に
ぐっと顔を近寄せた。

< 90 / 120 >

この作品をシェア

pagetop