青蝶夢 *Ⅱ*
二人は、優しい口づけを
交わした。

「連絡してね
 私、それまでちゃんと
 待ってるから・・・」

「ああ
 
 送っていけなくて
 ごめんな」

「ううん、いいの」

二人で居るところを伊吹に
知られちゃいけない。

伊吹を悲しませちゃいけない。

大切な貴方を守りたい。

その為に、私達は隠す・・・

矛盾した、想い

伊吹を守りたい、そう想うので
あれば、芳野にもう逢わないと
誓うのが先決なのに

私は、誓えない。

芳野と別れて、一人で歩く
道のりは、とても寂しい。

待っている人達が居るのに
後ろを何度も振り返ってしまう

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