青蝶夢 *Ⅱ*
仕事の話をする伊吹と芳野
の傍らで、茅野さんと私は
二人きり・・・

彼女にかける言葉は
何も無い。

私は、彼女が苦手・・・

彼女は、私に言う。

「そんなに警戒しないで
 いいよ・・・
 
 結局、イブキは
 最後に貴女を選んだわね
 
 彼でも無く
 彼に似た私でも無く

 もう、私の元には
 戻っては来てくれない・・
 
 私、ちゃんと理解してるから
 心配しないで
 
 貴方達の邪魔はしないから
 
 安心して・・・」

芳野に、そっくりな

悲しい瞳で

彼女は、伊吹を見つめる。
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