青蝶夢 *Ⅱ*
「ヒイロ・・・」

「ごめんなさい
 
 疲れてるの・・・」

こんな日々が、ずっと続けば
嫌でも気がつく。

芳野に逢ったあの日から
私の行動がおかしい事を。

笑っているかと思えば
悲しい顔をする私を
一番近くで見つめ続ける
貴方に、隠せる訳が無い。

この部屋で、本当はこうして
三人で暮らすはずだった。

娘を抱く、貴方の体は
ガチガチ。

「大丈夫だよ
 そんなに緊張しなくても

 アイちゃん、いいね」

「何なの?
 お前、結構重いじゃん」

そう言って、娘の頬を指先で
貴方はツンツンする。
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