青蝶夢 *Ⅱ*
耳元で貴方が囁いた。

「もう、終わりにしよう」

私は、貴方の肩に腕を回して
二度、頷いた。

流れる涙が、貴方の肩に落ち
沁みこんで行く・・・

時が止まる・・・

そして、私は耳元で囁く。

終わってしまう・・・

「ヨシノ・・・
 心配しないで

 私は逢えなくても
 ずっと、貴方を愛してる」

「ああ、知ってる
 俺の愛は、お前のものだ」

「知ってるよ」

終わる・・・

閉まるドアの前に、立つ私。
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