青蝶夢 *Ⅱ*
「大丈夫だ、タクシーで
 行きつけの店を何軒か
 移動してみる
 
 俺の心配はするな
 
 それから、ヒイロ
 もう泣くな
 泣いても仕方ない

 もしもの時は、俺が
 お前を迎えに行ってやる」

「・・・・・・」

頬の痛み、動揺する胸

帰って来ない、伊吹。

彼は今、悲しみを胸に

酒に酔い

街を一人、彷徨う。

愛するもの達の、裏切り・・・

もう、耐えられない。
< 163 / 334 >

この作品をシェア

pagetop