青蝶夢 *Ⅱ*
夜風にあたりながら

待ち行く人々を

伊吹は、ただ

ボーっと見つめる。

そして、深い息を吐く。

遠くを見つめた伊吹の瞳に
映る人・・・

伊吹は視線を逸らし、地面を
見つめる。

地面に、黒いレザーの
ブーティーサンダルが・・・

見上げた伊吹の瞳に映るのは

芳野・・・

違う・・・

「カヤノ」

彼女は屈んで、伊吹を見つめた

「イブキ、こんなところで
 何してるの?」
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