青蝶夢 *Ⅱ*

忘れさせて

『好きなの、青い蝶?』

10年前・・・

私は、学生服を着た
貴方に恋心を抱いた。

時は過ぎ・・・

貴方は、傷ついた私を
あの場所から攫ってくれた。

そして、私に、愛をくれた。

ここは、ファッションホテル

・・・・・・

男と女が、二人きり

大きなベッドに、シワ
ひとつなく、ぴったりと
敷かれたシーツ。

その前に立ち、見つめあい
口づけを交わす。

伊吹の手が、茅野の頬に
触れる・・・

芳野に、そっくりな茅野。
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