青蝶夢 *Ⅱ*
二人は、入れ代わり
今度は、伊吹が茅野を
見下ろす。

彼の瞳から零れ落ちた一粒の
涙が、彼女の頬を流れる。

あなたを、救ってあげたい。

着衣を全て脱ぎ捨て

二人は、肌を合わせ

深い闇に、融けていく・・・

『どうしたって

 温もりがほしい・・・

 誰かの温もりが・・・』

芳野の唇・・・

「お前を

 放したくない」

俺は、壊れていくのか?

もう、壊れているのか・・・

俺は、自分が分からない。
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