青蝶夢 *Ⅱ*
朝早くからの客人

いつもなら、忙しない時間に
やめてほしいと思うだろう。

だけど今は、助かった。

この場所から離れられる。

「脱いだ服、そのままにして
 置いて・・・ください

 後で片付けます」

寝室のドアに手を触れて
部屋を出ようとした私を
伊吹は、何を思ったのか
後ろから抱きしめた。

「イブキ・・・?」

彼は後ろから、私の洋服
の中に手を入れる。

「イブキ
 ねぇ、やめて・・・
 
 客人だよ
 私、行かなくちゃ」

彼は、私の手を強く
握り締めてベッドに
連れて行く。
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