青蝶夢 *Ⅱ*
「貴方が、私を望むなら
 貴方の想いのままに」

伊吹の瞳に、涙が溢れる・・・

「ヒイロ、助けて
 俺の心は、いかれてる」
 
お前を想う気持ちと
芳野を想う気持ちに
占領された俺の心は

もう
壊されていくしかない。

こんなはずじゃなかった・・・

私達は、口づけを交わす。

そして、貴方に
抱かれようとしたその時

ドアの外・・・

声が聞こえた。

子供の、笑う声と共に

愛しい人の声が聞こえる。

足を引き摺る音・・・

「お前の、ママ何処に
 行ったの?」

客人は、芳野・・・
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