青蝶夢 *Ⅱ*
私は、二人の前に姿を現した。

芳野が、真っ直ぐ

私を見つめる。

私だけを・・・

私は、貴方を見つめる事が
できない。

視線を逸らしたまま、一度も
合わさない私を見つめながら
貴方はきっと、私がこれから
言う、言葉を想像できたはず
・・・・・・

「ごめんなさい、ヨシノ
 

 私、イブキとは
 別れられません」

『俺の心は、いかれてる』

私達のせいで、傷つき
心が壊れかけている伊吹を
私は、やっぱり、放っては
おけない。

「・・・そうか」

まるで、私がそう告げることを
貴方は分かっているようだった
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