青蝶夢 *Ⅱ*
昨夜、貴方と一緒に居たいと
電話越しに、そう言ったくせに

朝になり、私はもう
伊吹と別れられないと言う・・

こんな、私を

どうか赦してください・・・

「ヒイロ、それは
 お前の意思なのか?」

悲しい、貴方の瞳を

私、見れない。

私は、黙ったまま頷いた。

声にしたら、大事なところで
言葉を詰まらせてしまう。

声が震えてしまう。

貴方に、本当の気持ちでは
ない事を知られてしまう。

それでは、いけない・・・

私は、決意を込めた
強い眼差しで芳野を
見つめた。
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