青蝶夢 *Ⅱ*
久しぶりに、伊吹に触れる。

見つめ合う、二人。

娘を連れて、母が病室の
ドアを開ける。

「ヒイロ、気がついたのね
 良かったわ
 
 貴女、またしばらくは
 入院生活よ

 イブキさん、ヒイロには?」

「いえっ、まだ話していません
 あっ、お義母さん
 こちらに、座ってください」

「ありがとう
 私から話しましょうか?」

「はい
 宜しくお願いします」

伊吹は、頭を下げた。

「ママ、話って何?」

母から、娘を受け取った伊吹は
その腕に愛しい娘を抱き、病室
の窓から、外を見つめる。
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