青蝶夢 *Ⅱ*
伊吹への申し訳ない気持ちで
いっぱいの私は、ベッドの上
目蓋を、強く閉じた。

そして、決心する。

絶対安静の期間が過ぎたら
伊吹に、本当の事を伝えて
彼とは別れて、一人で
娘と、この子を育てていこう

前を向いて

歩かなければ・・・

そう、毎日、思ってはみても
脳裏に焼きついた

芳野の、悲しい表情

耳に残る、悲しい声

私は、忘れる事ができずに

思い出しては

歩む足を止め

ずっと、その場所に
立ち止まっていた。

お腹に、芳野の赤ちゃんが
宿っている・・・
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