青蝶夢 *Ⅱ*
「・・・・・・」

貴方の声、聞こえない。

伊吹を選んでおいて

何を今更・・・だよね?

貴方を、これ以上
苦しめちゃいけないのに・・・

「ごめん、なさい
 もう、言わな・・・」

しゃくり泣きする私は
上手に話せない。

「ヒイロ、どこに居る?
 ・・・・・・
 泣かずに待ってろ
 今すぐ、行くから」

私は、愛しい貴方が
迎えに来てくれるのを
待ち続ける。

ずっと、待つ。

貴方に、もうすぐ逢える。

『芳野、貴方に
 大切な話があるの・・・』

話さなきゃいけない

だけど、話すのが怖い。
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