青蝶夢 *Ⅱ*
その頃、伊吹は茅野と
ホテルの一室で
逢っていた。

汗ばむ体を、重ね

終える二人

伊吹から離れた、茅野は
黒い下着を付けながら
ベッドの脇に立つ。

括れた腰元、小振りのお尻に
細い足。

煙草を銜える伊吹。

「いいの、電話?」

「ああ
 どうせ、仕事さ

 途中で行方を晦ましたから
 先輩が、今頃
 探してるんだろう?」

伊吹は、煙草を吸い
煙を吐き出す。

煙は部屋中を、気だるく漂う。

「呼び出したりして
 ごめんなさい」

反省する、茅野の
キレイな横顔・・・
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