青蝶夢 *Ⅱ*
伊吹は、煙草を銜え
茅野の手を掴み、ベッドに
横たわる自分の方へと
引き寄せる。

伊吹が銜える煙草を
長く細い指先で取った
茅野は、その唇に口づけた。

苦いキス

口づけは、激しさを増す。

彼女の下着を付けた胸元に
顔を埋める伊吹・・・

「もう・・・・・・」

「イブキ、何か言ったぁ?」

「煙草、捨てて」

サイドテーブルに置かれた
灰皿に煙草を捨てる、茅野の
うなじから背中を、舌先で這う
伊吹・・・

もう・・・

どうでもいい・・・
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