青蝶夢 *Ⅱ*
「俺は・・・
 
 何もできない
 
 何もしてやれない」

叩きつける力は、どんどん
強くなる。 

「ヨシノ、やめて
 悪いのは私なの
 
 ごめんなさい
 貴方の赤ちゃんを
 私は、守れなかった・・・」

テーブルを挟んで向かい合って
座る、芳野の両手が涙を流して
俯く私の両頬へと伸びて挟んで
触れる。

私は、見つめる・・・

「ヒイロ、よく聞け
 お前は何も悪くない
 
 だから・・・

 自分を責めるのは止せ
 分ったな」

私を真っ直ぐに見つめる
貴方の瞳は、薄っすらと潤む。

私の悲しみと同じだけ
貴方も悲しい。
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