青蝶夢 *Ⅱ*
「はい」

久しぶりに聞く、伊吹の声

答える声が緊張する。

「イブキ
 
 俺、ヨシノだ」

ドアの前に立つ、芳野の姿に
驚く伊吹。

「ヨシノ、何してる?」

「お前に大切な話がある」

閉まるドア・・・

ここは、母が暮らす
マンションの一室。

私は、母に全てを話して
聞かせた。

流産のこと

芳野の怪我のこと

二人の関係のこと

お腹の子供が、本当は
芳野との間にできた
子供だったということ
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