青蝶夢 *Ⅱ*
「流産なのか?」

「ああ」

秘色が辛い想いで、この俺に
助けを求めていたのに・・・

俺は・・・

茅野の体に溺れ、甘えていた

「ヒイロは今、どこに居る?
 病院なのか?
 体は大丈夫なのか?」

「手術は、明日行われる
 後、卵巣腫瘍摘出術も
 一緒に受ける事になる
 
 ヒイロは今、実家に居るよ」

席を立った伊吹は、テーブルの
上に置かれた車のキーを掴む。

「今すぐ
 迎えに行ってやらないと」

「その必要は無い」

顔色、ひとつ変えない芳野は
首を左右に振る。

彼の真剣な眼差し。
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