青蝶夢 *Ⅱ*
芳野が、ここに居るという事

それは・・・

「今度こそ、お前から
 ヒイロを奪う為に
 俺は、ここへ来た」

「大切な話・・・
 やっぱり、そういうことか
 
 ヒイロは、最後の最後に
 俺ではなく
 お前を選んだって訳かよ
 ハハッ」

声高らかに笑う伊吹の瞳は
少しも笑ってなどいなかった。

その、悲しい瞳

過去に愛した人の嘆きは
芳野の胸を突き刺す。

お前に、こんなにも
悲しい顔をさせたい訳じゃない

だけど、俺は言う・・・

「イブキ、お願いだ
 どんなことでもする
 だから、俺に
 ヒイロを・・・」
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