青蝶夢 *Ⅱ*
『どんな事でもする』

伊吹は、その言葉を聞き
嘲笑った後、黙り込んで
苦痛な表情を浮かべた。

どんな事でも・・・

「・・・本当か?
 
 どんな事でもすると
 お前は言った

 それなら・・・
 俺と寝てよ」

聞こえるか、聞こえないか

頼りない、伊吹の声・・・

聞こえないふりならできる。

でも、それはしてはいけない。

伊吹の心を、これ以上
壊せない・・・

精一杯のアイツの言葉
想いを踏み躙(にじ)れない

「・・・・・・」

遠い昔
芳野も願った事がある・・・

伊吹を、自分だけのものに
したい。
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