青蝶夢 *Ⅱ*
俺は、イブキ・・・

お前の心を、これ以上
壊したくない。

芳野の行動に、何も言えない
伊吹は、ただ、シャツを脱ぐ
芳野を見つめた。

久しぶりに逢った、芳野。

伸びた黒髪・・・

美しい横顔・・・

愛しい人・・・

伊吹は、白いTシャツ姿で立つ
芳野を抱きしめた。

抱きしめているのか

抱きしめられているのか

分からない。

「イブキ、がっつくなよ」

男を好きになった事
過去にもあったかもしれない。

でも、こうして
抱きしめた事は無い。

他の男なんて
抱きしめたいとは思わない。

お前だから・・・
< 250 / 334 >

この作品をシェア

pagetop