青蝶夢 *Ⅱ*
眠る娘を

抱きしめる伊吹。

『俺から、秘色だけでなく
 
 娘を取り上げるような
 
 事はしないでほしい・・・』

芳野を見つめる

真剣な伊吹の眼差しが

そう、語っているような
気がした。

ごめん、ヒイロ・・・

俺は、伊吹から

この子を奪えない。

この子を奪えば

伊吹は、生きる意味を
失いそうで・・・

俺には、できなかった。
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