青蝶夢 *Ⅱ*
私、何言ってるんだろう?

止まらない・・・

「どうして、私だけが
 我慢しなきゃいけないの
 私もイブキも立場は
 同じじゃない・・・違う?
 
 それなのに、どうして
 私だけが自分を責めて
 アイを手放さなきゃ
 いけなかったの?
 
 イブキ、お願い
 私にアイを返して

 貴方はアイとは
 血も繋がっていない他人
 ・・・」

私の頬に、痛みが走る・・・

「ヨシノ・・・」

私の頬を打ったのは
芳野だった。

芳野の声は、ひどく怒っている

「ヒイロ、お前
 言い過ぎだ

 冷静になって、よく考えろ
 
 想いのままを口にするのは
 やめろ

 お前も傷つくだけだ」

だって、私には無いんだもの

私には無い・・・

お腹に触れる、この手が
憐れで、涙が止まらない。
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