青蝶夢 *Ⅱ*
後ろから、首筋に
芳野の唇が触れる・・・

私は、瞳を閉じる。

貴方は、私の耳にフーっと
息を吹きかけて甘く囁いた。

「そんなにしたいの?」

「したいよ・・・」

私は、ゆっくりと
瞳を開ける。

「なんて
 本当、いじわる

 自分が、今朝
 言ったくせに
 私に、言わせるなんて・・」

「そうだったっけ?」

「わざと
 しらばっくれてる
 でしょう?」

貴方は、笑って誤魔化した。

振り返る私の瞳に貴方が映る。

貴方は、私にキスをくれた。

甘ったるい、チョコ味のキスを
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