青蝶夢 *Ⅱ*
「おいっ、アイとハナは?」

「あっ・・・」

私は、慌てて
公園の中へと戻ると藍が
今にも泣きそうな顔を
している。

「ママ、ボールは?
 ないの・・・」

藍は、芳野の姿を見つけて
満面の笑みを浮かべた。

「あっ、ヨシノのパパだぁ
 
 わたしのボール」

藍は、芳野の元へと駆け寄る。

その後ろを、花が追いかける。

「あなたは、こっち」

私は、花を抱き上げる。

芳野は、藍にボールを
差し出した。

「はい、ボール」

「ヨシノのパパ
 ありがとう」
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