青蝶夢 *Ⅱ*
その言葉に憤りを抑えることの
できない伊吹が机を思いっきり
叩く音が店内に響く。

「お前、何言ってる
 
 お前が行かないなら
 俺が行く
 
 俺が行って、アイツを 
 連れ戻してくる」

黙ったままの芳野・・・ 

「お前らに、いったい
 何があった?」

芳野は、グラスの酒を一気に
飲み干して言う。

「ヒイロの腹の子は
 俺の子じゃない」

「えっ・・・」

「昔の恋人との間の
 子供なんだ
 それが分かった以上
 子供の為にも、本当の父親と
 ヒイロは一緒になる方がいい
 ・・・・・・
 きっと、今頃
 そいつと将来の事を
 話し合っているだろう・・・

 もう、そいつと一緒に
 暮らしているかもしれない」
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