青蝶夢 *Ⅱ*
私は、深呼吸をして座る。

芳野の手が、放れそう・・・

「お願い、ずっと繋いでて」

「ああ」

秘色の手が震えている。

三人は、ソファーに座って
話を始める。

「ママ、電話でも話したように
 私、妊娠しているの・・・」

「ヒイロ、落ち着きなさい
 そんなに話を急がないで
 時間なら、まだあるわ
 ・・・・・・
 あの人なら、帰って
 来ないわよ」

母の顔色が少し、曇ったのは
私の・・・見間違い?

「どうして
 帰って来ないだ
 なんて言い切れるの?」

「こんな、御めでたい席で
 話すような内容じゃない
 けれど・・・
 ママ、あの人と別れる事に
 したの」
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