青蝶夢 *Ⅱ*
酒を飲み、話す二人・・・

芳野は、全てを忘れて酔いたい

想っても、もう秘色には
逢えない。

遠い昔に戻ったように
二人は、何てこと無い話をする

時間は過ぎ、酔いも相当
回った頃、芳野の携帯電話が
また、振動する。

「携帯、出なくていいのか?
 さっきから鳴りっぱなし
 誰・・・女か?」

「ああ、昔の女からだ・・・
 うまく別れられたと
 思ったんだが
 最近、頻繁に電話が
 かかるようになって
 もう、逢うつもりはないと
 言ってはいるんだが・・・」

伊吹は、真剣な表情で
芳野を見つめて言う。

「何を言われても
 もう、絶対に逢うなよ
 逢えば、お前はまた・・・」
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