青蝶夢 *Ⅱ*
「ああ、逢うつもりは無い
 俺はもう、昔の俺には
 戻らない
 
 女側から見たら
 俺は、何て勝手な奴
 なんだろうなぁ
 ほんと、酷い奴だ・・・」

「番号、変えた方が
 いいかもな」
 
「そうだな・・・」

秘色への寂しさからか
酒を浴びるほどに飲んだ芳野は
もう相当、出来上がっていた。

そう、遠い昔と逆・・・

今度は、酒に酔った芳野を
伊吹が彼の部屋まで
送り届ける。

タクシーを降りた二人・・・

「ほら、ヨシノ
 しっかり、立てよ
 ゆっくりでいい、頼むから
 歩いてよ
 
 こらっ、寝るなよ」

「イブキ
 おんぶ、しろよ」
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