青蝶夢 *Ⅱ*
尻餅をついた、伊吹の上に
タオルケットを手に持ち
覆いかぶさる芳野。

頭から被った白い
タオルケットから覗く
芳野は、美しい。

声にならない伊吹の
唇に、芳野は口づけた。

「やめろ、ヨシノ・・・」

秘色を無くした寂しさに

凍える胸・・・・

辛すぎる現実・・・

抱き寄せた伊吹の耳元で
芳野は告げる。

「もう、どうなったっていい

 目の前にいるお前を
 この手で
 めちゃくちゃにしたい」
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