青蝶夢 *Ⅱ*
『お嬢さんを、私にください
 大切にします
 絶対に
 泣かせたりしません』

芳野は

私を選んでくれる・・・?

芳野は

必ず、私を迎えに来てくれる。

私は、帰る用意を済ませて
貴方を待つ。

一時間、二時間・・

五時間・・・

貴方を待つ。

貴方を待っているけど

貴方は来ない・・・

食卓には、お箸を一度も
つけていないままの
昼食が並ぶ。

西日が射し、時は過ぎ
日はゆっくりと沈み行く。
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