青蝶夢 *Ⅱ*
夜が、夜が訪れる。

ヨシノ、お願い

私を迎えに来ては

くれないの・・・?

「ヒイロ
 ヨシノさんは、きっと
 どうしても抜けられない
 大切な用事があったのよ」

ソファーに座り、俯く私の肩に
母は手を置いた。
 
「ほらっ、赤ちゃんの為にも
 何か食べた方がいいわ」

「ごめんなさい
 何も、食べたくない」

私は、母の手を払い
自分の部屋へ戻る。

部屋に、一人きり・・・
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